環境保護について

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緑のダムと言われる訳

midoridamu森林は裸地の約3倍、草地の約2倍の水を蓄えることができるといわれています。
山の地層は古代より火山噴火を幾度となく繰り返し、堆積物と多くの地面の亀裂隙間をもっています。
その地層の上に落葉や枯れ枝、苔が生え、草木の生える土壌が大きな大きなスポンジの役割となり雨水が蓄えることができるのです。
樹幹よりしたたり、幹を伝い木の根も覆われている大きな土壌スポンジに届いた雨水は、ゆっくり地面に染み込んでいきます。
地表の亀裂や隙間に水がたまりながら、地層の奥深くへ浸透し水はろ過されていきます。
それがやがて、ミネラル豊富な地下水となり長い年月をかけまた地表に染み出て、沢に流れだし木曽川より海に流れ込みます。
海の水は太陽の熱で蒸発をし、また大気で雨雲化し、地表に雨をふらし、再び樹幹を雨水がしたたり落ちるのです。

災害を起こさないよう、水を貯える保水や調湿をするためには森林は必要なのです。

昨今の豪雨の水を保水するには、山が荒廃しあまりにも山の力が衰えてしまっています。
これ以上、大災害を起こさせないためにも、行き届いた山の手入れを行い、元気な山づくりを行っていく必要性が急務です。
 

木曽官材の役割、木材の需要・供給の調整役

森林整備事業の推進と、貴重な森林資源の保護・復元という背景の狭間で、容易なことではありませんが木曽官材は、今まで以上に様々な観点から「需要・供給」バランスの調整役として事業展開していかなくてはならないと考えます。

  • 「大量生産工場」への供給に対応した「システム販売」の継続
  • 技術の継承や無垢材にこだわった「中・小規模生産工場」に必要とされる「市売市場」の両立
  • 未利用D材(枝・葉・切り株など)バイオマス燃料の供給体制を新たに構築

 

 

 

 

炭素の貯蔵庫

hayashi日本では戦後を中心に、先人たちが植林してくれた1000万haもの森林(人工林)が広がっています。
将来、木材として利用するためなどに、苗木から育てられたいわば「木の畑」です。
これらの木の畑では、今、多くの木々が、収穫期を迎えつつあります。育ち盛りの若い木々は二酸化炭素の吸収が大盛ですが、成熟木は若木に比べ吸収力が減退すると言われてます。
森林は、二酸化炭素(実際には炭素)の貯蔵庫と言われます。
それらの木々は、収穫されて、住宅や家具などの木製品に加工されても、貯蔵庫としての機能は変わりません。それゆえ、木製品は「炭素の缶詰」と言われます。
また、成熟した木々を収穫し、住宅を建てれば、森林と同じような貯蔵庫が都市にもできます。
このことから、木造住宅は「第二の森林」「都市の森林」などと言われます。そして、収穫後に苗木を植え、育てることにより、二酸化炭素(CO2)をどんどん吸収しながら成長し、さらに新しい貯蔵庫ができるのです。

木づかい運動は、日本の木製品を積極的に取り入れ、身近に「炭素の缶詰」を増やしたり、都市に「第二の森林」をつくる国民運動なのです。

 

 

 

 

世界的に希少で重要な針葉樹林

中部森林管理局では、世界的に希少で貴重な「木曽地方の温帯性針葉樹林」を保護し、復元していく方針を固めており、木曽地方や中津川市に至る、約1万6千haを超える森林資源を永続的利用していくための取り組みを開始しました。「産・学・官」からなる検討委員会を発足し、保護、復元していく地域を「森林生物多様性復元地域」として、愛称を「木曽悠久の森」としました。

 

 

 

「 木曽悠久の森」コア・エリアの保護林化

ヒノキやサワラの大木が今も自生する、長野県(木曽谷)と岐阜県(裏木曽)にまたがる木曽の森林。
「木曽五木」などの温帯性針葉樹が育つこのような森は、世界的にみても大変希少なものであり、今残るものの厳正な保護とかつての森への再生修復が急がれています。
自然保護側からの働きかけに対し、木曽の国有林を管理する林野庁の中部森林管理局は、木曽地方における天然ヒノキ、サワラなどで構成される温帯性針葉樹林の保護・復元に向けて取り組む「木曽悠久の森」(約16,600ha)を、平成26年4月に設定しました。
この取り組みの具体的な中身をつくるための管理委員会は約2カ月に一度のペースで開かれています。
この中で、「木曽悠久の森」のうち、残存する自然林を、時間をかけて再生修復し、もとの森の姿の復元を目標にしているコア・エリア(約10,400ha)を、林野庁が昨年改定した新たな保護林制度による保護林にしていくことが話し合われました。
今後、管理委員会による「管理基本計画」を検討することになります。