信州の豊かな森林

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木曽の檜と技と知恵のシンポジュウム

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シンポジュウムは、平成19年6月9・10日の2日間の日程で、木曽官材市売協同 組合、NPO木の建築フォーラム、文化遺産を未来につなぐ森づくりの有識者会議 が主催、中部森林管理局、長野県、上松町など関係する多くの方の後援を得て「木 曽の檜と技と知恵」をテーマに木曽の魅力や実情を理解する機会となりました。

 

 

akasawa1日目は、赤沢自然休養林の現地視察で「樹齢300年!木曽檜天然木の見分 け方」をテーマに100林班・奥千本・休養林の見学と、木曽檜の天然更新木の生 命力の強さを体験。

 

 

 

seizaijituen2日目は、パネルディスカッション「木曽檜天然木の魅力- 文化遺産と森作り」と木曽檜丸太の製材実演「天然木曽檜の木取り-1ミリにか ける製材の神髄」など木材の供給の立場と、需要の立場から様々な意見発表会 が行われました。

 

 

2日間にわたったシンポジュウムは、200年・300年と続く、世界に誇れる木曽 材と木曽の山を守ることは、「官・民一体、更には消費者も含めた大きなうねりを 希望する」と締めくくられました。

 

 

民国の枠を超えて産出される木材

民国の枠を超えて産出される木材に対応すべく、既存の市売業務から生産現場へのシフトも含め、販売網のさらなる成熟と市況変化による生産調整などに取り組み、木曽官材は林業の活性化を目的に協定面積は約十四万ヘクタールと、全国一位の規模「木曽谷流域整備推進協定」を締結させました。【詳しくはこちら】

 

 

 

木材は人の手によって再生が可能な地球規模の資源

植樹→育樹→収穫→消費→再び植樹…と再生を幾度となく繰り返すことができ、自然環境を考えると、生き生きとした森づくりは、 樹にとっても人間にとっても健全な森林をそだてることなのです。

 

 

 

 【植樹】森林作りの歴史

chiikizai_01檜は極寒の信州の地を好み50年~100年の時をかけてゆっくりと成長します。
檜の森づくりは、親から子、子から孫へと引き継がれてきました。

江戸時代、尾張藩の森林保護政策を行い、現在の赤沢休養林一帯を「留山(とめやま)」という一番厳しい保護森林に指定し、檜に触れることはもちろん檜の山に足を踏み入れることさえ禁じられ、万が一無断で伐採しようものなら【檜一本首ひとつ】と、この上ない厳しい罰則でした。
その他にも厳しい順に「巣山(もとやま)」「明山(あけやま)」「鞘山(ささやま)」「預山(あずけやま)」と尾張藩独自の山の保護ランク付けを行いました。
この保護政策は江戸の時代には模範となり全国各藩採用されたもので、命がけで森林を当時の人々は守りました。

 

 

 

【育樹】間伐の必要

kanbatu

間伐は健康な森を作る為の深呼吸。
密集して植林された木を間引いていかないと、山肌に日が差さず草木も生えない山肌・土壌になってしまいます。
ひのき林の中では、樹と樹の間から日がさしていることが必要なのです。
間伐をしないと、災害がおきてしまいます。

山崩れ防止となる垂下根

計画的な間伐をし、山の地面を風通しよくして日光が差し込む様にし、樹の根がしっかり大地をつかむことのできる環境にするため、間伐・整備作業をしておかなければなりません。

植林時には、1ヘクタールの面積に約2000~3000本の苗木を植えます。そのまま密林状態で樹を育ててしまうと、樹木は上に伸びるばかりの競争をし、下に根を張ることがおろそかになってしまいます。

木には、「垂下根」という木の根が垂直にまっすぐ伸びる性質があります。
樹の根がしっかりと山肌に深く張っていれば、杭の働きをし山崩れ防止に役立ちます。
昨今、頻繁にみまわれる豪雨による山崩れ災害対策にとても有効的なものとなります。

 

 

 

【主伐】木曽の森林は今が収穫どき

basai「木を使うこと」を目的として「拡大造林政策」(国の政策)によって人工林(木の畑)が作られ現在日本の多くの人工林は収穫期を迎えています。

生産される材には、天然木曽五木をはじめ、八十年から百二十年を刻んだ高齢級ひのきの高品質材が含まれています。
平成25年に木曽森林管理署・南木曽支署管内から生産される80年生以上の人工林きそひのきの高齢級・国有林材を「marukoumarukoku木曽ひのき」と名付けブランド化に取り組みました。

2017年5月に長野県と、中部森林管理局は、樹齢80年生以上の県産材カラマツを「信州プレミアムカラマツ」と名付け、ブランド化を進めました。

 

 

 

 

 

【使う】無駄のない木(気)づかい

kidukai木曽官材が行う「木(気)づかい」とは、健康な信州の森林を育成し、生物資源として地域材が消費され、森林が手入れさ美林となることです。
多樹種・多品目に恵まれている木曽谷の原産地市場として「入札・セリ売り」を通して有利販売に努め、山元への還元と木曽材を愛してくださる顧客様への供給を継続していく事が使命であると考えます。
木曽谷基幹産業としての林業を今後も維持継続するために「活力ある山からは活力ある水が育まれる」ことを胸に刻み、森林整備、素材生産、製材技術の継承と継続に努めてまいります。